@礼金・更新料の扱い
定期借家契約は、従来型の借家契約が持つ不確実性を排除するために創設された契約形態ですので、従来からの慣行的な金銭授受は避けるべきであると解釈されています。
従来から更新料と礼金は判例でも法的根拠がないということで争った場合には、貸主側が敗訴していました。
更新が無いのが定期借家権ですので、更新料はもちろん受領することができず、礼金に関しても住宅金融公庫から融資を受けて建設された賃貸住宅は従来から礼金も更新料も受領してはならないのが決まりでしたので、定期借家の契約をする際には礼金は取らないこととするのが正しい解釈だとされています。
ただし、今回の定期借家権では、礼金の受領が禁止されているわけではありませんので、定着するまで暫くの間は貸し手と借り手間の認識の相違が表面化することが予想され、定期借家権導入後は需要と供給のバランスがよりはっきりしてくるので、礼金をとる物件は敬遠されてなかなか決まらないという現象も起きてくる事が予想されます。
事業用の建物や床面積200平方メートル以上の居住用建物を定期借家権を利用して契約する場合には、「期間内解約の特約」が無ければ賃借人からの契約解除は原則として出来ない事となっております。
200平方メートル未満の一般的な居住用建物は、転勤・療養・親族の介護・その他やむを得ない事由による解除の場合には、特約が無くても1ヶ月前予告で賃借人からの解除が可能です。
上記の解除理由以外の、例えば
「狭くなった・新しい物件に引越したい」
等の漠然とした理由では解除できない場合もありますので注意が必要です。
B従来型契約からの移行
平成12年3月1日の施行日以降は、定期借家権による契約を締結することが可能ですが、当分の間は経過措置として新たな入居者としか定期借家権による契約を締結することは出来ません。
3月1日以降に更新のくる契約を定期借家権に切り替えることは出来ませんので注意が必要です。
附則第1条及び第4条により施行日から4年後に見直しをすることとなっておりますので、平成16年頃にはすべての契約で定期借家に移行できる予定でしたが、今日現在見直しは実施されておりません。かもしれません。
仮に予定通り見直しされ、更新時に従来型から定期借家に切り替える場合には、従来型の契約時に預かっている敷金や保証金は借主に返還しなければならないこととなっております。
C契約時の説明事項
定期借家権での契約を締結する場合は、定期の解釈に誤解が発生しないよう、借主に対して書面により詳しく説明しなければならず、この書面による説明を怠った場合もしくは説明不足の場合には、その契約は従来型の賃貸借契約とみなされてしまいますので注意が必要です。
書面により説明しなければならない最低限の事項は下記のとおりです。
●契約の更新が無いこと
●期間の満了により賃貸借が確定的に終了すること
●契約の終了年月日
注)上記の説明は媒介業者が発行と説明を行なう重要事項説明書とは別に、「貸主が自ら書面をもって説明し、書面を交付しなければならない」
となっております。
この説明は貸主から媒介業者に委任状を発行することにより、媒介業者が重要事項説明時に併せて行なうことが可能です。
D契約終了の通知
契約を終了させるためには期間満了の1年前から6ヶ月前までに貸主自らが書面による通知を行なわなければ、契約を終了することはできません。
2年契約だからといって、2年経ったら自動的に契約が終了するわけではなく、書面を6ヶ月前までに賃借人に渡さなければなりません。
この通知を怠ると期限がきても契約を終了させることはできませんが、契約期間が終了してしまった後でも、契約終了の書面を発行してから6ヶ月経てば契約は終了します。
この契約終了通知も契約時の書面発行と同じく、貸主自らが行うこととなっておりますが、委任状を発行することにより媒介業者が貸主の代理として書面発行を行なうことが可能です。
期間が満了して賃貸借契約が終了しても明渡さない賃借人に対しては、裁判により債務名義をとって強制執行をしなければならないことは、現在と変わりありません。
この強制執行には約100万円程度の費用がかかります。
定期借家権だからといって安心せず、トラブルを避けるためには契約前の入居審査が大切なことは定期借家権が導入されても変わりません。
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